近年は、夫婦共働きの家庭も多くなり、マイホームを購入する際に、ペアローンを組んで、共有名義にする人も増えてきました。
今回は、共有名義にした時のメリットとデメリットについて解説します。
共有名義の不動産とは
共有名義とは、1つの不動産を複数の人たちで所有することです。
それぞれの共有者が持っている割合を「持分割合」といいます。
例えば、夫Aと妻Bが共有名義で2分の1づつ不動産を所有していた場合は「Aさん2分の1」、「Bさん2分の1」となります。
共有名義とは別に単独名義があります。
単独名義とは、夫婦で不動産を購入した場合、夫のみの名義で登記をすることです。
共有名義のメリット
ローン控除をそれぞれ受けることができる
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用しマイホームを購入した場合に、納めた税金が控除される制度です。
年末残高の0.7%が、10年間所得税や住民税から控除されます。詳しくは住宅ローン控除にて解説していますので是非お読みください。
共有名義にすることで、夫婦それぞれ住宅ローン控除が受けることができます。
単独名義に比べて減税額が増えるのが大きなメリットです。
ローン控除の注意
例えば夫婦がローンを利用し不動産を購入する場合、住宅ローン控除をそれぞれ受けるには、それぞれ住宅ローンを組むか、どちらかが連帯債務者になる必要があります。
夫もしくは妻を連帯保証人にして住宅ローンを組み不動産購入しても、住宅ローン控除は適用外となるので注意が必要です。
税金対策にる
マイホームを売却する際、利益が出ると、譲渡所得税という税金がかかります。
その税金を無税にできる3000万円特別控除という制度があり、利益の3,000万円までが無税になります。
共有名義の場合は夫と妻、両者が3,000万円の控除の対象となり、税金の負担を軽減できます。譲渡所得税は負担が大きい税金なので、それぞれが控除を受けることができるのはメリットの一つです。
借入金額を増やすことができる
購入したい物件が高額な場合、単独名義ではローンが組めない可能性があります。
例えば、夫の年収が500万円であれば、500万円に応じた金額のみしか借入できませんが、妻の年収が300万円あれば、合わせた800万円に応じた金額が借入できることになります。
気に入った物件が少々予算オーバーの場合も年収を足すことによって購入できる可能性があります。
相続税の軽減
夫婦2名で、夫の単独名義の場合、夫が死亡して相続が発生するとその不動産の評価額が課税対象となりますが、共有名義の場合、夫の持分の部分のみが課税対象になり、単独名義の時よりも相続税が節税できます。
共有名義のデメリット
共有者全員の許可が必要
共有名義の不動産を売却する際は、共有者全員の同意が必要です。
たとえ夫が9割、妻が1割の持分だったとしても、妻の同意がないと物件は売却できません。
離婚の場合、夫が売却を希望していても、共有名義人である妻が売却を拒否すると売却を進めることはできません。
売却の際、名義人全員の署名捺印が必要になります。名義人同士で揉める可能性があることを理解しておきましょう。
また、離婚で単独名義に変更する場合も金融機関への連絡と承諾が必要になります。当初2人で組んでいた住宅ローンを一人で負担することになる可能性もあります。
相続人が増える
共有名義人の片方が死亡して相続が発生した場合、相続対象の人が増えていく可能性があります。共有者が増えると、増改築や売却をする時に共有者全員の意見が合わず進めることができないケースがあります。
贈与税がかかる可能性がある
共有名義人である妻が仕事を辞め収入がなくなった場合、夫が妻の住宅ローンを返済することに問題はありませんが、このケースでは、妻から夫へ持分の贈与とみなされ、贈与税が発生する恐れがあります。
また、夫の給与からの支払いだけで購入したマンションを妻と1/2ずつの共有名義で登記すると、夫から妻への贈与だとみなされてしまいます。この場合、妻に贈与税が発生する可能性があるため、結果的に損をしてしまうリスクがあるのです。
諸費用が増える
不動産を取得した場合、税金やローンのかかる諸経費などが発生します。その費用が共有名義人全員に発生するため、初期費用が高額になる恐れがあります。
まとめ
共有名義のメリットデメリットを解説しました。
共有名義で不動産を取得すると、それぞれ各種控除を受けれるなど節税効果に期待ができる一方で、不動産を自由に処分できない、諸経費が高額になるなど多くのデメリットもあるのが共有名義です。
解説したメリットやデメリットを踏まえた上で、検討してみてはいかがでしょうか。TOANETでは、随時、相談会を開催しています。ご質問やご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール
- 前職は、不動産とは全く関係のない業界で働いていました。 不動産業に従事する父の影響もあり、またお客様の一大イベントである「マイホームの購入」にお立合いしたいと思い不動産業界に転職致しました。 不動産の知識としてはまだまだ勉強中の身です。 ですが、お客様一人ひとりに誠心誠意、情熱と丁寧さを持って接する気持ちだけは誰にも負けません。 気軽に声がけできる、安心できる不動産パートーナーになるまで、日々邁進致します。
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